山行名 残雪期ピークハント@北アルプス 黒部五郎岳
山行名 残雪期ピークハント@北アルプス 黒部五郎岳
日時:2022年5月28日(土)~29日(日)
メンバー:K川、Sモア
ルート
1日目:07:08飛越新道登山口-09:00飛越新道分岐-10:07寺地山10:21-11:21北ノ俣避難小屋11:22-13:45北ノ俣岳C1
2日目:03:20C1-04:19中俣乗越-06:13黒部五郎岳06:18-07:29中俣乗越-08:09赤木岳08:17-08:47北ノ俣岳09:19
-11:18寺地山12:12-飛越新道分岐12:15-14:01飛越新道登山口
保健所応援の12連勤を終え、晴れの見込める週末。
そろそろ沢かと思っていたが、昨年のおんぼろ沢足袋を処分したころをすっかり忘れ、買いに行く時間も取れなかったたため、残雪期登山に切り替え、飛越トンネルから黒部五郎岳を目指すことにする。
28日 気持ちよく稜線を目指す
なんだかんだで最後の保健所勤務も20時上りで家に帰って準備して22時就寝。
2時半起きで一路飛越トンネルを目指す。
あんまり寝つきもよくなく、うつらうつら夢でも保健所で働きながら飛越トンネルへたどり着いて適当に準備して出発。以外に荷物が軽い。
新緑も盛りを過ぎたくらいといった中からスタートする。
神岡新道の分岐いたるまでは、緩いんだか急なんだか分からない尾根をすんばらしい品質のコシアブラに目移りしながら高度を稼いでいく。
神岡新道分岐から寺地山の間は湿地まじりの緩やかな尾根が続く。
ショウジョウバカマやバイカオウレンが咲き乱れ、沼地っぽくなるとミズバショウがポコポコ顔を出している。
思ったよりも早くから雪は出てくる。ときおり踏み抜きながら鏡池を経由して寺地山へ。
寺地山を過ぎると北ノ俣岳が連なる稜線を望むことができるのだが、まだ回復しきっていないのかガスがかかったり取れたり。左手にある薬師方面は雲がかかりっぱなしだ。
樹林内から抜け出して、広々とした湿原を木道も交えながら進んで行く。
途中、水を汲むために北ノ俣避難小屋へ。なかなかいい感じ。水はジャブジャブ出ている。
少し重くなったザックを背負いなおして稜線を目指す。
どことなく折立からの登りにもにた雰囲気を心地よく感じなが、ら雪渓だったり、深くえぐれた登山道だったりを適当にこなして高度を稼いでいく。
そんなこんなで稜線に辿り着くと黒部川を取り囲む山々を中心とした北アルプスの山々が眼前に広がる。う~ん、最高。
先の様子も見がてら北ノ俣岳のピークまで進んでやっぱり展望が最高ということで、雪堤上にテントを設営。
テントを立てたあとは、少し風もあり寒くもあるが、防寒具を着込んで外にマットを広げてゴロン。
最高のテンバだ。日が傾いてきたら晩御飯を作って食べる。さすがに日没近くは寒くなってきてテントに逃げ込む。
食べ終わり、お茶を飲んだくらいで日没。ピークに出ると白山の方が赤く染まり雲の中に飲み込まれていくところだった。暮れなずむ山々を目に焼き付け、テントに転がり込んで、シュラフにもぐりこむ。
夜は素晴らしい星空が頭上に広がっていた。
29日 10年以上ぶりの黒部五郎岳
2時に起き辛めのラーメンを啜って3時20分にラテルネを付けて出発。
富山の夜景や大きなサソリ座を見ながら稜線を進んで行く。
赤木山までは道を繋いで行けるが、中俣乗越までは雪は多くほとんど雪の上を行く感じ。
思ったよりも冷え込まなかったため、ツボ足のままいったが、雪が固い場合は、アイゼンが必要になる。時折急なところも交えながら中俣乗越まで。
この辺りで日の出を迎え、周りの山々が一気に色めき立つ。
ここから黒部五郎岳の登りに差し掛かる。このルートを行くのは大学3年以来なので10年以上ぶりだが、黒部五郎岳の登りがきつかったのは今でも覚えている。
砂礫のジグザグをえっちらおっちら登っていく。アタック装備なので思ったほど苦しくもなく順調に高度を稼いでいく。
黒部五郎岳の登りは肩に乗る直前以外は雪を踏まずに登れる。
最後は、ライチョウのつがいを横目に黒部五郎岳山頂へ。
もはやU字谷ではと思うくらい広大なカール、その向こうには近くなった槍穂高を望むことができる。
左手から剱、薬師、立山、水晶、鷲羽岳、三俣蓮華、槍穂、笠が朝陽に輝く大パノラマ。
しばらく景色を堪能して下り始める。
帰りもライチョウのつがいが見送ってくれた。
下りはあっというまに高度を下ろしていく。他パーティともすれ違いつつ、中俣乗越からは少しダル目の登り返し。
行きは道メインでいったが、帰りは雪を使って帰る。行きはスルーした赤木山の三角点も踏んでテントに帰投。
さくっと撤収して、次にこの稜線を歩けるのはいつかなと名残惜しみながら分岐から稜線をあとにする。
高度を下ろし始めたらあっという間。今日は本当に天気が良く雲一つない青空で下山も気持ちがいい。
寺地山手前の稜線方面の景色は確かに大展望だった。
高度を下ろすとどんどん季節が戻っていき、気温もぐんぐん上り暑い暑い。
あっという間に残雪から初夏に逆戻りで車までたどり着いた。
いい疲労感と充実感でちょうどいい感じ。
そんなこんなで、温泉で汗を流し、日本ダービーに興奮感動しながら帰路についた。